Getting Started
Google Antigravityのインストールから初期設定、エージェントを安全かつ効率的に運用するための環境構築までをステップバイステップで解説します。Antigravityは従来のAI補完ツールとは異なり、AIエージェントが計画・コード生成・ブラウザ検証を自律的に行う「管制塔」のようなツールです。「最小権限でスタートし、暴走を防ぐガードレールを敷くこと」が最も重要です。
- 事前準備 — OS・アカウント・メモリなどの必須要件チェック
- パラダイム比較 — Cursor / Claude Code / Copilot との根本的な違い
- インストール — ダウンロードからサインインまで(各OS対応)
- セットアップウィザード — 最小権限で安全にスタートする推奨設定
- 環境構築 — 日本語化・ブラウザ拡張・テレメトリ設定
- ルール設定 — GEMINI.md / AGENTS.md による「第二の脳」構築
- ショートカット — 操作効率を最大化する必須キーバインド
- 構築順序 — 約60分で完成するMVP構築フロー
- FAQ — よくある質問と回答
事前準備とシステム要件
インストールを始める前に、ご自身の環境が以下の要件を満たしているか確認してください。
- 対応OS — macOS 12 Monterey以降(Apple Silicon M1以降を強く推奨。Intel Macも動作しますが、一部AI機能がクラウド処理に回され遅延が発生します)、Windows 10/11 64bit、Linux(glibc 2.28以降)。
- Googleアカウント — 個人のGoogleアカウント(@gmail.com)が推奨です。Google Workspaceアカウントも管理者が「Google Labs」と「Generative AI」を有効化すれば利用可能ですが、組織ポリシーにより制限される場合があります。18歳以上が必要です。
- ブラウザ — AIが自律的にWebブラウジングを行うため、Google Chromeが必須です。
- メモリ・ストレージ — RAM 8GB以上(16GB推奨)。ディスク空き容量は最低5GB必要です。
| 項目 | 最低要件 | 推奨環境 |
|---|---|---|
| macOS | 12 Monterey(Intel/Apple Silicon) | 15 / Apple Silicon M3以降 |
| Windows | 10 64bit | 11 64bit |
| Linux | glibc 2.28以降 | Ubuntu 24.04 |
| RAM | 8GB | 16GB以上 |
| ディスク | 5GB | 20GB以上 |
| アカウント | 個人Gmail(@gmail.com)推奨 | Workspace(管理者設定必要) |
| ブラウザ | Google Chrome | 最新版Chrome |
Apple Silicon(M1以降)を強く推奨します。Intel Macでも動作しますが、ローカルAI機能がクラウド処理に回されるため、レイテンシが増加します。Google Workspaceアカウントは管理者がAI機能を有効化していれば利用可能ですが、初めての方はトラブルを避けるため個人Gmailアカウントでの利用を推奨します。
4ツール開発パラダイム比較
Antigravityは他のAIコーディングツールとは根本的に異なるパラダイムで設計されています。導入前に、各ツールの「開発者との関係性」を理解しておきましょう。
| ツール | パラダイム | 人間の役割 | AIの役割 |
|---|---|---|---|
| Cursor | エディタ拡張型 | コードを書く主体 | 補完・提案・チャット支援 |
| Claude Code / Codex | CLI自律実行型 | 指示を出し結果を確認 | ターミナルで自律的にタスク実行 |
| VS Code Copilot | 作業台+チャット型 | エディタ内で協働 | インライン補完・Agent Mode |
| Antigravity | 管制室型(委任・レビュー前提) | 管制官:計画を承認し監督 | 自律エージェント:計画→実装→検証を一貫実行 |
Antigravityは「AIに手伝ってもらう」ツールではなく、「AIに仕事を委任し、人間がレビュー・承認する」管制塔です。そのため、構築時に最も重要なのは「何を自動化し、何を人間が確認するか」の権限境界の設計です。
ダウンロードとインストール
-
ダウンロード
公式サイト(antigravity.google/download)にアクセスし、お使いのOSに合ったインストーラーをダウンロードします。 -
インストール実行
ダウンロードしたファイルを実行してインストールします。 -
起動とサインイン
インストール完了後、Antigravityを起動し、用意した個人のGoogleアカウントでサインインします。
不具合を防ぐため、インストール先のパスに日本語を含めないでください(半角英数字のみ推奨)。例: C:\Users\taro\AppData\Local\Antigravity は OK、C:\Users\太郎\ は NG。
パッケージマネージャーでのインストール
brew install --cask google-antigravitywinget install Google.Antigravity# GPGキーの追加
curl -fsSL https://antigravity.google/linux/key.gpg | sudo gpg --dearmor -o /usr/share/keyrings/antigravity.gpg
# リポジトリの追加
echo "deb [signed-by=/usr/share/keyrings/antigravity.gpg] https://antigravity.google/linux/deb stable main" | \
sudo tee /etc/apt/sources.list.d/antigravity.list
# インストール
sudo apt update && sudo apt install google-antigravity初期セットアップウィザード(最小権限での安全なスタート)
初回起動時にセットアップウィザードが表示されます。AIの暴走を防ぐため、「レビュー主導(安全重視)」の設定で進めるのがベストプラクティスです。
Setup Flow(セットアップフロー)
VS CodeやCursorの設定を引き継ぐことも可能ですが、予期せぬ権限の持ち込みや不具合を防ぐため、まずは「Start Fresh(新規スタート)」を選択することをおすすめします。
エージェントの使用モード
「Review-driven development(レビュー主導の開発)」を強く推奨します。エージェントがコードを書く前に、人間に対して計画(Artifacts)の承認を求めるため、安全性と効率のバランスが最も優れています。
Terminal Execution Policy(ターミナル実行ポリシー)
「Request Review(都度承認)」または「Auto」に設定します。「Turbo」は絶対に避けてください — 危険なコマンド(rmなど)を勝手に実行してしまうリスクがあります。
Review Policy & JavaScript Execution Policy
Review Policyは「Request Review」を選択し、タスクの節目で必ず人間が確認するようにします。JavaScript Execution Policyはブラウザ操作時のセキュリティリスク(プロンプトインジェクションなど)を防ぐため、「Request Review」または「Disabled」に設定します。
| 設定項目 | 推奨設定 | 避けるべき設定 | 理由 |
|---|---|---|---|
| Setup Flow | Start Fresh | Import from VS Code | 予期せぬ権限の持ち込み防止 |
| 使用モード | Review-driven | Agent-driven | 暴走防止、計画承認の習慣化 |
| Terminal Policy | Request Review | Turbo | rm等の破壊的コマンド実行防止 |
| Review Policy | Request Review | Auto-approve | 節目での人間確認を保証 |
| JS Execution | Request Review | Auto | プロンプトインジェクション防止 |
Themeはお好みでDarkまたはLightを選択してください。開発者には目の負担が少ないDarkテーマが人気です。
インストール後の環境構築(日本語化と拡張機能)
ウィザード完了後、より使いやすくするための設定を行います。
UIの日本語化
画面左側の拡張機能アイコンをクリックし、「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」(Microsoft公式)を検索してインストールします。その後、Antigravityを再起動するとUIが日本語化されます。
ブラウザ拡張機能の導入(必須)
Antigravityの強力なブラウザ操作機能を利用するための必須拡張機能です。
- チャットパネルで「ブラウザで見て確認して」と指示すると、Chromeウェブストアの「Antigravity Browser Extension」インストール画面に誘導されます。
- 拡張機能をインストールし、Chromeを再起動します。
拡張機能インストール後、Macの「システム設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「アクセシビリティ」から、Antigravityにコンピュータの制御を許可し、一度Mac自体を再起動する必要があります。これを行わないとブラウザ連携が正しく動作しません。
テレメトリのオフ(任意)
機密情報やコードがGoogleの学習データとして送信されるのを防ぎたい場合は、設定(Cmd/Ctrl + ,)のAccountタブから「Enable Telemetry」をオフにしてください。
ワークスペースとルールの初期設定(第二の脳の構築)
Antigravityは、単にチャットで指示するだけでなく、プロジェクトのルールをあらかじめ定義しておくことで飛躍的に精度が向上します。
1. ワークスペースの作成
Agent Manager(Cmd/Ctrl + E)を開き、空のローカルフォルダをワークスペースとして指定します。プロジェクトごとにフォルダを完全に分けることで、AIのコンテキスト(文脈)の混線を防ぎます。
2. グローバルルールの設定(GEMINI.md)
すべてのプロジェクトに共通するルールを定義します。ホームディレクトリに ~/.gemini/GEMINI.md を作成します。
# グローバルルール
## 言語
- すべての応答および思考の最終出力は必ず日本語で行うこと
## セキュリティ
- APIキーやパスワードなどの機密情報は絶対にログやコードに出力しないこと
- .envファイルの内容を表示・コミットしないこと
## コーディング
- TypeScript strictモードを標準とすること
- コミットメッセージはConventional Commitsに従うこと3. プロジェクトルールの設定(AGENTS.md)
プロジェクトのルートディレクトリに AGENTS.md または .agents/rules/ フォルダを作成し、技術スタック・コーディング規約・テストの必須化などをMarkdownで記述します。
# プロジェクトルール
## 技術スタック
- Frontend: Next.js 15 + React 19 + TypeScript
- Backend: Hono + Drizzle ORM
- Database: PostgreSQL 16
## コーディング規約
- TypeScript strict mode必須
- 関数は1つの責務のみ持つこと
- テストカバレッジ80%以上を維持すること
## 禁止パターン
- any型の使用禁止
- console.logでのデバッグ禁止(loggerを使用)
- 直接的なDOM操作禁止4. セキュリティ境界の明確化(Browser URL Allowlist)
外部サイトからの悪意あるコード読み込みを防ぐため、設定から「Browser URL Allowlist」を開き、信頼できるドメインのみを登録してアクセス範囲を制限します。
localhost
127.0.0.1
developer.mozilla.org
docs.github.com
antigravity.google
cloud.google.comAllowlistに登録されていないURLへのアクセスは、エージェントが自動的にブロックするか承認を求めます。本番環境のURLは含めないのがベストプラクティスです。
基本ショートカット
Antigravityの操作効率を最大化するための必須ショートカットです。VS Codeのキーバインドと多くが共通しています。
| ショートカット | macOS | Windows/Linux | 機能 |
|---|---|---|---|
| エージェントパネル | Cmd+L |
Ctrl+L |
エージェントチャットパネルを開く/閉じる |
| Editor/Manager切替 | Cmd+E |
Ctrl+E |
Editor ViewとAgent Manager Viewを切り替え |
| ターミナル | Ctrl+` |
Ctrl+` |
統合ターミナルの表示/非表示 |
| コマンドパレット | Cmd+Shift+P |
Ctrl+Shift+P |
全コマンドを検索・実行 |
| クイックファイル | Cmd+P |
Ctrl+P |
ファイル名でファジー検索 |
| 設定 | Cmd+, |
Ctrl+, |
設定画面を開く |
| インライン補完承認 | Tab |
Tab |
AI補完の提案を承認 |
Cmd+L(エージェントパネル)は最も使用頻度の高いショートカットです。エディタで選択したコードやターミナル出力をそのままエージェントに送信できます。
構築推奨順序
上記の設定を踏まえた、Antigravity環境構築の全体フローです。「計画(Plan)→ 差分(Diff)→ 検証(Verify)」のサイクルを回す感覚を掴みましょう。
┌──────────┐ ┌──────────┐ ┌──────────┐ ┌──────────┐ ┌──────────┐ ┌──────────┐
│ Install │→│ Wizard │→│ 日本語化 │→│ Rules │→│ Security │→│ 検証 │
│ 10分 │ │ 5分 │ │ 10分 │ │ 20分 │ │ 5分 │ │ 10分 │
└──────────┘ └──────────┘ └──────────┘ └──────────┘ └──────────┘ └──────────┘
├─── 15分 ───┤├─── 10分 ───┤├──────── 25分 ────────┤├──── 10分 ────┤
MVP完成: 約60分インストール&サインイン(10分)
公式サイトからダウンロード、インストール、個人Googleアカウントでサインイン。Windowsはパスに日本語を含めないこと。
セットアップウィザード(5分)
Start Fresh → Review-driven → Request Review で最小権限スタート。Terminal PolicyはTurbo以外を選択。
日本語化&ブラウザ拡張(10分)
Japanese Language Pack導入、Antigravity Browser Extension導入。Macユーザーはアクセシビリティ許可+再起動が必要。
GEMINI.md&AGENTS.md作成(20分)
グローバルルール(~/.gemini/GEMINI.md)とプロジェクトルール(AGENTS.md)を設定。日本語応答・機密情報禁止・コーディング規約を定義。
セキュリティ境界の設定(5分)
Browser URL Allowlistで信頼ドメインのみ登録。テレメトリをオフに設定(任意)。
検証(10分)
小規模なタスクから開始し、Plan → Diff → Verify のサイクルを回す感覚を掴みます。エージェントが計画を提示し、差分を確認し、検証する流れを体験してください。
MVP所要時間は約60分です。最初から完璧を目指さず、段階的に拡張していくのが成功の秘訣です。まずは安全なガードレールの中で動く環境を作り、使いながら権限を広げていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q: Intel Macで使えますか?
A: はい、動作します。ただしApple Silicon(M1以降)を強く推奨します。Intel MacではローカルAI機能がクラウド処理に回されるため、レスポンスに遅延が発生します。最適な体験にはApple Silicon Macをお使いください。
Q: Google Workspaceアカウントは使えますか?
A: 最近のアップデートでWorkspaceアカウントにも対応しました。ただし、組織の管理者が「Google Labs」と「Generative AI」を管理コンソールで有効化する必要があります。個人Gmail(@gmail.com)が最もスムーズです。
Q: Terminal Policyの「Turbo」は何が危険?
A: Turboモードではエージェントがrm -rf、git push --force、npm publish等の破壊的コマンドを確認なしに実行します。一度実行されると取り消しが困難なため、初心者は絶対に使用しないでください。
Q: Windowsでインストールパスに日本語があるとどうなる?
A: ファイルパスのエンコーディング不整合により、エージェントがファイルを正しく読み書きできなくなることがあります。C:\Users\[半角英数ユーザー名]\以下にインストールしてください。