Workflows
Claude Code開発者Boris Cherny自身が推奨する核心ワークフローから、並列セッション運用、CI/CD連携まで。実践的な開発フローを体系的に解説します。
核心5段階ワークフロー
Explore → Plan → Implement → Verify → Lessons — Claude Code開発者Boris Cherny自身が推奨する核心ワークフローです。このサイクルを1タスクごとに回すことで、品質と生産性を最大化できます。
Explore(探索)
Plan Modeで開始し、コードベース全体の構造を把握するフェーズです。
- Plan Modeで開始(Shift+Tabで切替)
- コードベース全体の構造を把握
- 関連ファイルの特定、依存関係の理解
- 「何を変えるべきか」「影響範囲は」を明確にする
- コマンド:
Read,Glob,Grepで調査
Plan(計画)
変更計画を文書化し、実装の合意を得るフェーズです。
- 変更計画を文書化
docs/plans/に設計書を作成- TodoWriteでタスク分割
- ユーザーと計画をレビュー
- 「どう実装するか」の合意を得る
Implement(実装)
Normal Modeに切り替え、TDD(テスト駆動開発)で実装するフェーズです。
- Normal Modeに切り替え
- TDD推奨: テスト → 実装 → リファクタリング
- 小さなコミットを頻繁に作成
- 1PR = 1機能の原則
Verify(検証)
テスト実行と動作確認を行い、品質を担保するフェーズです。
- テスト実行(unit, integration, e2e)
- 型チェック、lint
- ブラウザで動作確認(Playwright MCP活用)
- Interview pattern: Claudeに「この実装の問題点は?」と聞く
Lessons(学び)
気づきを記録し、Self-Improvement Loopを完成させるフェーズです。
lessons.mdに気づきを記録- パターンが見えたらCLAUDE.mdにルール追加
- 確実に守るべきものはHooksに移行
- Self-Improvement Loopの完成
このサイクルを1タスクごとに回すのがポイントです。大きなタスクは複数の小さなサイクルに分割しましょう。
Self-Improvement Loop
Claudeが自己進化する仕組み — タスク実行のたびにミスから学び、ルールを追加し、最終的にHooksで自動化するサイクルです。
具体例 1: テストなしで実装が進んだ
-
ミス発見
Claudeがテストを書かずに実装を進めてしまった。後から不具合が見つかり手戻りが発生。 -
lessons.md に記録
「テストなしで実装が進んだ。結果として手戻りが大きくなった」と記録。 -
CLAUDE.md にルール追加
MUST: テストを書いてから実装するをCLAUDE.mdに追加。次回からClaudeはTDDで実装するようになる。
具体例 2: .envファイルをコミットしそうになった
-
ミス発見
.envファイルがステージングに含まれていることに気付いた。シークレット漏洩リスク。 -
lessons.md に記録
「シークレットファイルのコミットリスクがある。.envは常にチェックが必要」と記録。 -
Hooks で自動化
PostWriteフックでシークレットファイルチェックを追加。次回から自動で検知・ブロック。
Boris Cherny流: 「Claudeがミスするたびにルールを追加すれば、同じミスは二度と起きない」。これがLiving Documentationの本質です。
Boris Chernyワークフロー
Boris Cherny(Claude Code開発者)が実際に行っている、10-15並列セッション運用のワークフローを紹介します。
並列セッション
5セッションをターミナルで、5-10セッションをWebで同時運用しています。各セッションは独立したコンテキストを持ち、互いに干渉しません。
専門エージェント
タスクごとに専門化されたエージェントを活用しています。
code-simplifier— 実装後にアーキテクチャをクリーンアップする専門エージェントverify-app— E2Eテストをシップ前に実行する専門エージェント
モデル選択
最も重いOpusモデルを使用しています。精度重視のアプローチで、コスト効率より品質を優先しています。
Living Documentation
Claudeがミスするたびにルールを追加し、CLAUDE.mdを「生きたドキュメント」として進化させ続けます。
なぜ並列が効くのか
- 独立したコンテキスト — 各セッションは互いの状態を共有しない
- 同時進行 — feature-Aとfeature-Bを同時に開発可能
- コンテキスト汚染ゼロ — 1つのセッションの問題が他に波及しない
- 生産性の倍増 — 1人で5人分のアウトプットを実現
並列セッションは上級テクニックです。まずは1セッションでワークフローを確立してから、徐々に並列数を増やしていくことを推奨します。
Agent Teams
Agent Teams(research preview)はマルチエージェント協調の仕組みです。1つのリードエージェントが全体を統括し、複数のチームメイトエージェントが並列で作業します。チームメイト同士が直接コミュニケーション可能な点が特徴です。
サブエージェントとの違い
| サブエージェント | Agent Teams | |
|---|---|---|
| コミュニケーション | 親→子のみ | メンバー間で直接 |
| コンテキスト | 親のコンテキスト内 | 独立したコンテキスト |
| 用途 | 単発タスクの委任 | 大規模プロジェクトの分業 |
| 成熟度 | 安定版 | Research Preview |
Agent Teamsは2026年3月時点でResearch Previewです。本番利用は安定版リリース後を推奨します。
並列セッション運用
コンテキスト汚染ゼロの同時開発を実現する、並列セッション運用の具体的な方法を解説します。
Git Worktreeを使った並列開発
Git Worktreeを使うと、1つのリポジトリから複数の作業ディレクトリを作成し、それぞれで独立したClaude Codeセッションを起動できます。
# メインブランチからworktreeを作成
git worktree add ../project-feature-a feature-a
git worktree add ../project-feature-b feature-b
# それぞれのworktreeで別セッションを起動
cd ../project-feature-a && claude
cd ../project-feature-b && claudeHandoffパターン
セッション間でコンテキストを引き継ぐための仕組みです。
- セッション間でコンテキストを引き継ぐ — 前のセッションの成果物やメモを次のセッションに渡す
- dxプラグインのhandoff機能を活用 — セッションの状態を構造化して保存・復元
- 長いセッションを分割して品質を維持 — コンテキストウィンドウの限界を超える前に分割
Git Worktreeは軽量です。メインリポジトリのcloneではなく、同じ.gitを共有するので、ディスク容量をほとんど消費しません。
日常開発フローのシナリオ集
よくある開発シナリオごとに、Claude Codeを活用したフローを紹介します。
シナリオ 1: PR作成 → レビュー → マージ
1. Plan Mode: 変更計画を立てる
2. Normal Mode: 実装 + テスト
3. git commit + git push
4. 「PRを作成して」 → gh pr create
5. 「このPRをレビューして」 → コードレビュー
6. フィードバック対応 → マージシナリオ 2: バグ修正
1. エラーログをClaudeに共有
2. Plan Mode: 原因を調査・分析
3. Normal Mode: 修正実装
4. テストで再現 → 修正を確認
5. lessons.md に記録シナリオ 3: リファクタリング
1. Plan Mode: 影響範囲を特定
2. 段階的に変更(一括変更は避ける)
3. 各段階でテストが通ることを確認
4. 最後に統合テストCI/CD連携とRemote Control
Claude Codeは対話型ツールとしてだけでなく、CI/CDパイプラインの一部としてプログラマティックに利用できます。
GitHub Actionsとの組み合わせ
- PRでClaude Codeを自動実行 — Pull Request作成時に自動でコードレビューを実施
- コードレビューの自動化 — スタイルガイド違反、セキュリティリスクの自動検出
- テスト失敗時の自動修正提案 — CIで失敗したテストの原因分析と修正案を自動生成
Remote Control(プログラマティック利用)
CLI経由でClaude Codeをスクリプトから制御できます。バッチ処理、定期実行、CI/CDパイプラインへの統合が可能です。
# 非対話モードでタスクを実行
claude --print "このリポジトリのREADMEを日本語に翻訳して"
# パイプで入力を渡す
echo "このコードのバグを見つけて" | claude --printRemote Controlにより、Claude CodeはCLIツールとしてだけでなく、自動化パイプラインの一部として使えるようになります。